危機回避

会社であるプロジェクトを進めている。
部下にそのプロジェクトのコントロールを任せているのだが、
プロジェクトに参加している関係会社との関係がうまくいっていないらしい。
短納期のプロジェクトだが、その会社が協力を渋っているのだ。
その会社が協力を拒めばプロジェクトは頓挫する。
部下をその会社との交渉に送り出した。

しかし、送り出した時の部下の不安そうな顔つき、挙動がどうしても気になる。
このままでは交渉はきっとうまくいかない。
人間は機械ではないので、メンタルが充実しないまま交渉に挑んで失敗してしまうこともある。

私は部下の後を追って、交渉現場に赴いた。
私は責任を負う立場。部下に任せているとはいえ、プロジェクト成功の確率を高めるために
私が今できることは何か。

交渉現場についた。
交渉相手の担当者のまえに困惑の表情を浮かべ、硬直している部下の姿が目に入った。
雰囲気が完全に凍りついている。
しまった・・一人で送り出すべきではなかった・・。
申し訳ないと思いながらも、部下に交渉の経過を聞いた。

先方が口を開く。
「御社には協力できない」
確かに相手にはこれまでのかなり無理を強いてきている。
しかし、プロジェクト完遂までは後少しだ。どうか後少しだけ無理を承知でお願いできないか。
先方の指摘に相槌をうち、頭を下げ、説得をした。
この局面ではもはや理屈ではない、感情の問題だった。
説得を続けるうち、先方の態度が軟化しはじめた。
最後には、「できるだけのことはしましょう」との言葉をもらった。
なんとか交渉に成功したのである。
あとの細かい調整を部下に任せ、私は現場を後にした。

私が執務室に戻った後、しばらくして部下が帰ってきた。
顔が晴れ晴れとしている。
部下は、普段、すみませんやありがとうが言えない困ったちゃんでもあるのだが、
今回に限っては「つばめさん、助かりました」と言った。
私は努めてこともなげに、「おう」とだけ答えておいた。

私だって、現場に到着した瞬間の凍りついた雰囲気には正直動揺した。
私の対人恐怖の症状がふつふつとわいてきた感覚が生々しい。
交渉が成功した瞬間は、表情こそ落ち着いたそぶりを作っていたが、
内心は小躍りしたいくらいだったのだ。
そして、危うく部下を見殺しにするところだったと、反省しきりだ。
そんな反省と喜びが交錯した感想。
2013-04-06 11:00:01(Sat)
 

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いいループ 

こんにちは

部下の方も将来プロジェクトの責任者になったときに今回のことを思い出して、つばめさんがしたようなフォローができる人になるといいですね。

上司の心遣いが部下をそだて、その部下も心遣いができる人になっていく、そんないい連鎖が続いていくとイイですね。
2013-04-18 08:12 | 1000エーカー | URL   [ 編集 ]

Re: 1000エーカーさん 

1000エーカーさん、コメントをありがとうございます。

日記ではかっこのいいことのように書いていますが、あやうく部下を見殺しにするところでした。
結果的には私(上司)が遅れて登場することで局面打開につながったといえるのですが、
あくまで結果オーライです。
危険予知、部下のフォローを考えるとヒヤリハットです。
2013-04-18 23:51 | つばめとそら | URL   [ 編集 ]

プロフィール

つばめとそら

Author:つばめとそら
うつ状態のときもあるさ
日々の気持ちをつづっていきます。
(o^-')b

【私の治療歴】
■投薬治療
 2008年6月~2013年5月
 
■心理療法
 来談者中心療法によるカウンセリング
 認知療法
 マインドフルネス
 森田療法

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