大川小学校の裁判

石巻市の大川小学校で、東北震災時の避難判断を巡って裁判が行われている。

以下、私は直接被災したわけではないので、机上の空論と言われても仕方がない。

東北の震災の時、津波が迫って来ているのに子どもたちを50分も校庭に待機させ、やっと避難を始めと思ったら、津波により近い避難場所に向かって歩きだし、その途中で津波に遭遇し84人の方が犠牲になったとの報道だ。

結果論的に言えば、学校の裏山に登っていれば助かっていたのだろう。
実際に裏山に逃げた児童と教師は助かっている。

しかし、当時の大川小学校は自治体のハザードマップでも安全な地域になっており、しかも災害の際の避難場所に指定されていた場所だそうだ。
逃げれば良かったとされる裏山も、以前に地震で大規模な土砂崩れを起こしたことがあり、裏山に逃げるのも当事者間で意見が別れたそうだ。

裏山に避難すること巡り、裏山に登って怪我でもさせたら誰が責任を取るんだ、とかが議論になっていたとのこと。

校庭にいても危険、裏山も危険、実際に移動しようとした三角地帯も危険となったとき、どのような判断が神でもない人間にできるのか。
現場の教師だけに、子どもたちを被災させた責任を押し付けることができるのか。

現場の判断を結果からのみ評価され、1ミリでもその判断が間違っていたら、現場を知らない上層やらネットやらから徹底的に断罪される風潮。
これは震災の話だけではない。
私の職場も然り、そして日本全体を何となく覆っている閉塞感。

現場でその時に最善と思われる選択肢があっても、マニュアルから外れた行為で、結果失敗すれば後で徹底的に断罪される。
これでは現場で最も良い選択をできなくなり、助かる命も助からないし、マニュアルを越える事態に誰も対応できなくなる。
手足を縛られてハワイまで泳げといわれているようなものだ。

マニュアル化することは、一定の品質を保つ上で必要なことだ。
しかし、マニュアルを越える事態も当然あり、その時の行動を結果からだけ見て否定しないことがこの教訓を活かすことになると思う。
だから、本件では絶対に個人を断罪せず事実だけから問題を洗い上げ、対策につなげてほしい。

その一方で、当時、保護者の方が子どもたちを引き取りにこられた方もいて、この子たちは助かったそうだ。

結局、自分や自分の家族は断固自分が守るしかないのだ。
教師といえども、他人に自分の家族の命は預けられない。

私の職場でも大地震に備えた避難訓練がある。
海岸の埋め立て地にあるのだが、津波は来ないとの「想定」で、避難行動は建物の外に出て点呼をとるだけで、大川小学校と何ら変わらない。
偉い人が机上で作った避難マニュアルでは、誰も助からないだろう。

やはり自分と家族の命は他人には預けられない。
「てんでんこ」は真理だと思う。

私がよく訪問しているあるブロガーさんも、震災の時に職場の命令を無視することを承知で、断固お子さんを迎えに行ったそうだ。
その行動は絶対に正しいと信じる。
会社員である以上、会社に対する責任はもちろんあるが、家族を守るという親の責任がそれを絶対に上回ると信じる。


2016-10-29 20:46:49(Sat)
 

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私も、想定外の地震に、結果として判断を誤った学校側を一方的に責めることはできないと思います。

>マニュアル化することは、一定の品質を保つ上で必要なことだ。
しかし、マニュアルを越える事態も当然あり、その時の行動を結果からだけ見て否定しないことがこの教訓を活かすことになると思う。
だから、本件では絶対に個人を断罪せず事実だけから問題を洗い上げ、対策につなげてほしい。

その通りです。想定外の事態になった際、マニュアルを超えて判断しなければならない場合、どうするのか、被告側に、今後の学校防災を考えてほしいです。


マニュアルのことに加え、

今回の裁判では、学校側の危機管理意識の低さが指摘されています。迎えに来た父兄から「危ないからすぐ避難した方がいい」とさんざん言われても、漠然と「ここまで津波は来ない」と思っていたこと、寒いからとたき火までしていたこと。

また、多くの犠牲者を出したあと、生き延びた児童への聞き取り調査の内容を調査報告書に意図的に載せなかったことも問題です。

学校(行政)側も父兄側も同じように悲しみの中にいるのだから、
事実を隠蔽するのではなく、実際にあったしまった不幸を真正面からみつめ、今後にいかしてほしいです。


まとまりのないコメントですみません。

つばめとそらさんの、この記事、とても感激しました。アタシのモヤモヤした言葉にならない感情を、しっかりとわかりやすい文章で表現してくださったように感じました。そのくらい、ピッタリときました。

ありがとうございます。


2016-10-31 16:47 | きたあかり | URL   [ 編集 ]

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2016-10-31 16:49 |  |    [ 編集 ]

Re: きたあかりさん 

私もこの件には思うところかありました。
あかりさんの記事にコメントしようと思いましたが、長くなるし自分の意見は自分のブログで書くべきと思い、長い文章をしたためることになりました。

マニュアル化すると、一定のことはできるようになるけれど、それ以上のことを考えなくなり個の力が弱くなる、また後の断罪を恐れて、ルールから外れたベストな選択ができなくなると思います。
減災はマスプロ製品ではないのだから、何よりも個の力が必要だと思います。

だから、「てんでんこ」が理想だと思います。
被災してもいない私が、てんでんこについて覚悟もなく語ることは、被災した方に失礼かもしれませんが。

とにかく自分の命を行政に預けるのではなく、自分で責任を持つ意識を持つことだと思います。

事後の調査でも責任逃れが明白ですね。
一度だけと言われる生き残った先生の証言も矛盾があるとのことで、実際の証言をねじ曲げられている可能性もあります。

だからこそ、個人を断罪しないことを約束しないと、真実は出てこないと思うのです。
2016-11-01 00:00 | つばめとそら | URL   [ 編集 ]

Re: 鍵コメさま 

了解しました。
ぜひ、こちらからもお願いします。
2016-11-01 00:02 | つばめとそら | URL   [ 編集 ]

プロフィール

つばめとそら

Author:つばめとそら
うつ状態のときもあるさ
日々の気持ちをつづっていきます。
(o^-')b

【私の治療歴】
■投薬治療
 2008年6月~2013年5月
 
■心理療法
 来談者中心療法によるカウンセリング
 認知療法
 マインドフルネス
 森田療法

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